2021年4月9日金曜日

チーフスタッフのコラム【2021年4月】

 茗荷谷クラブでは、様々な他機関と連携をしています。


地元の文京区では文京区ひきこもり支援センター(文京区生活福祉課所管)の「STEP」事業として「茗荷谷クラブメンタル部門相談室」、「茗荷谷クラブ」、「社会参加準備活動」「家族茶話会・講演会」を受託しています。


近年、ひきこもり支援では「連携」「連携」とあちこちで言われることが非常に増えました。


でも、なかなか思うようにいきません。


より良い「連携」とは何なのでしょう?形骸化させないためにはどうしたらいいのでしょう?


「連携」はもちろん、ご本人の了解の元、ご本人の最善の利益を目指して行われるものでなければなりません。


まずは、様々な職種(保健師さん、福祉関係のケースワーカーさん、精神保健福祉士さん、就労支援事業所の方、社会福祉協議会⦅地域福祉コーディネーター⦆さん、教育相談センター相談員さん、基幹相談センターさん、地域包括支援センター相談員さん、民生委員さん、お医者さんなどなど)の方々と顔の見える関係を作ってきました。


そうすれば「○○は、私にはわからないけれど△△さんならわかるかもしれない。聞いてみよう」「ネットワーク先として○○はいいかもしれない。まずは、△△さんに聞いてみよう」と私たちは、みんなの輪とつながることができます。


ご本人もネットワークが広がり、理解してくれる人を増やし、孤立から抜け出すことができます。


文京区に限らず、他地域の場合もその職種の専門性や得意分野を知ることによって、連携はよりしやすくなりました。


私の持っている「ものさし」は、たくさんの事柄を図るには不十分です。たかが知れています。


いつももっとたくさんの「ものさし」を持ちたいとあれこれ本を読んだり、研修を受けたりしているのですが、もっと、自分とは別の「ものさし」を持っている人とたくさん手をつないでいきたいです!


ただし、ご本人の守秘が第一ですので、承諾なしに、連携することはありません。


ご本人を真ん中にして、他機関の人たちとスクラムを組みたいです。


そして何よりもそれぞれの「場」や「人」の良さが失われないことが大事だと思います。


以下に青木省三先生(精神科医)の著書『ぼくらの中の発達障害』の中の言葉を紹介します。


『連携は包囲網になってはいけない。


連携とは長所や可能性を発見することに一番の意味があり、それを共有することによって彼を取り巻く環境が彼を安心させ安定させる良い影響を与えるものになることを目指しているのだ。


包囲網とは彼が「問題」を封じ込めるためのものである。彼を追い詰めることになる。


一歩間違えると彼の「問題」に焦点が当てられ、家や学校や職場であったことを直ちに専門家に伝えるということをしているとそれぞれの場が持つ良さが失われ、彼を追い詰めることになることがある。』


本人のニーズがないのに、本人の問題を探し出し、「問題解決」をしていくという視点は、「本人に問題がある」という支援者側のおごりです。


何よりも本人のお話をゆっくりと聴くこと、本人のニーズを聞き取ること、聴くことによって、本人が自身で気づいていなかったニーズやポテンシャルにも気づくことができます。


人は場によってさまざまに違う顔を見せます。だから、あえて連携をしないこともあります。


それぞれの場の持つ良さを生かす「連携」をしていくことが大切なのではないかと思います。


茗荷谷クラブチーフスタッフ 井利由利


2021年3月30日火曜日

かつどうタイムのご報告です!【2021年3月23日】

皆さんこんにちは。はじめまして。


3月から入りました火曜日スタッフの山内です。


かつどうタイムのお出かけのご報告です。


桜が満開を迎えお花見シーズンがやってきました。


この日はメンバーさん6人、スタッフ2人の計8人で桜を見にお出かけしました。


まずは住吉駅の猿江恩賜公園に行きました。


初めて訪れた公園でしたが、桜が沢山咲いていてとても綺麗でした!



公園からはスカイツリーが綺麗に見えました。


次に、歩いて錦糸町駅の錦糸公園まで行きました!


少し遠かったですが皆で隅田川を散策しながら歩きました。


錦糸公園も桜が沢山咲いていました!


噴水のベンチに座ってまったりしました。


桜を見た後はレトロな喫茶店に行きました。


私が注文したのはクリームソーダです。


クリームソーダが大好きなので、おすすめのクリームソーダのカフェがあったら教えてください♪



初めてお会いする方と沢山お話が出来て楽しかったです!


次回のかつどうタイムがとても楽しみです。


茗荷谷クラブスタッフ 山内茉菜

2021年3月12日金曜日

チーフスタッフのコラム【2021年3月】

 『自分の感情や内面には「他人」が折りたたまれて入っているから、どんな人でも周囲の人とともにしか、変わることはできない。


ゆっくりと遠回りでいいから、参加している誰もが尊厳を否定されない、そこにいるだけで前よりも楽になれるような関係性を対話を通じて作っていこう。』


―「心を病んだらいけないの?うつ病社会の処方箋」 斎藤環・与那覇潤著 2020より引用―


この頃『居場所』について例えば、『「茗荷谷クラブ」と地域の「居場所」はどう違うのか?違わないのか?』などを問われ、「居場所」の大切さや、「茗荷谷クラブって?」という事について再び考えたので、それを記してみようと思います。


再考している中、先に引用した著書の言葉を見つけいたく感動し、紹介しました。


地域には、高齢者の居場所、認知症のお年寄りの介護者の居場所、子育てママの集まれる居場所、子ども食堂、放課後クラブ、就労のためのB型の居場所とか上げればきりがないほど、本当に多くの様々な居場所があります。


どのような居場所にも通底する「居場所」のあり様の大前提が、まさにこの文章にあると思いました。


どういう場所を「居場所」と感じるかは人それぞれで、地域に多くのいろいろな形の居場所があること、多様であることが最も大事だと思います。


地域で取り組まなければならない課題であり、私たちも区内の地域コーディネーターさんと連携しながら、お手伝いしていきます。


昨年12月に行ったプログラムで「茗荷谷クラブって何?」をメンバーの方々が表してくださいました。


そのプログラムで茗荷谷クラブは「精神安定剤」「空母」「窓」「失敗や成功の概念のないところ」「多様性」などの言葉をいただきました。


安心安全で基地になり、そこで自由に過ごし、表現ができる場所と思ってくれているのだなと嬉しく思いました。


と同時に「こういう場所であって欲しい」というメンバーさんの望みなのだろうなと身が引き締まる想いでした。


私の好きな小説にサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」があります。


私の勝手な連想ですが、広い広い金色に輝く高台にあるライ麦畑で、空はどこまでも蒼く、高く、広がっています。


そんな場所で様々な若者たちが自由にのびのびと好きなように遊んでいます。


ライ麦畑は、自由で何の制約も強制もこうでなければならない目的もありません。


でも何かの拍子にライ麦畑の高台から落ちそうになる人もいます。


そんな人たちを一人も取りこぼさずに手を伸ばし、つかまえる。


その役割がスタッフにはあり、そこにある程度の心の専門家としての専門性が必要になるのかなと思います。


私は、茗荷谷クラブの「居場所」に、そんなイメージを持っています。


コロナ禍でいろいろな制約がある中…広々としたライ麦畑に行って、みんなで思いっきり遊びたいですね!


茗荷谷クラブチーフスタッフ 井利由利


2021年2月27日土曜日

朝霞つれづれ

こんにちは。朝霞農園がゆえあって、近所にお引越しをしました。

どんなところかとぶらりと探訪いたしました。


以前つくった小屋と、増設された小屋があってのほほんとありました。



この近くは本当に静かで、無音。車の音も遠くにあり、人の声もなくひっそり。

それだけでもなんだか癒されます。

そんな中、風が吹くとカラカラ音がなるものがあります。

前この畑を使っていた人のお土産、風見鶏です。



人がいようといまいと、ひたすらと回り続けています。

農業スタッフの大川さんが、これは風力発電に何か使えないかとあれこれ考えています。

この雄大な空間の中、そういうことを考えさせてくれる素敵な仕掛けです。


ちなみに大川さんは回っている羽に手を突っ込み、痛い思いをしたそうな。

かわいそうに。


増設した小屋の中にあった、材木置き場を解体し、二人でぱっぱっと整理しました。

そして、「ここをどう使おう?」。



探訪したK氏は、都会に疲れていたので「住みたい」という発想しか湧いてこなんだ。

大川さんも引っ張られたのか、もしくは都会に疲れていたのか、その方向で話が盛り上がり。

家を求めさせる、そんな開けっぴろげな土の薫りが言葉を弾ませます。


近くのおっちゃんの小屋を見学しにいき、おっちゃんに小屋の作り方を教わりました。

ちなみにおっちゃんの小屋は、鍋やビールもあり、座敷もあり、絵も飾ってあったのです。

このおっちゃんは未来の私かもしれません。


お名前は私は存じ上げません。

でもそれはさして先立つ大切さにはならない、人のまじりでした。


そのおっちゃんに、井戸の作り方も教わりました。

井戸も、作ろう。多分作ります。


そうした話のあとに、大川さんはやるべき日課をこなしていきます。



畑から石・塵をとりのぞく。

米ぬかで作っておいた肥料を土にまき、くわでまぜる。

にんにくなど、霜にやられないようにビニールをかける。

かぶの間引きをする。

じゃがいもを植える量を、隣の別のおっちゃんに聞く。




こうしたささやかな営みが大事だなとしみじみしました。

K氏は体力がないので、半分鑑賞をしておりました。


なんだか他愛もない話をいっぱいしたような気もいたしましたが、忘れました。

心も体もからになる、そんな日常を切り出してくれた土地でした。


また行くことがあると思います。


2021年2月16日火曜日

みゃうが谷倶楽部ショップ@minne OPENしました!

 みなさまお久しぶりです!みゃうが谷倶楽部です☆



緊急事態宣言も発令、そして延長され、なかなか自由がききづらい生活が続いているかと思いますが、みなさまお元気でしょうか?


前回記事でご案内したminneのショップがOPENしました!°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

もう販売も始めています!


ショップのURLはこちら↓↓↓

https://minne.com/@myaugaclub


ミシンとパソコンの台数が限られているため、意外と商品登録に時間がかかってしまっていますが、慣れないながらも、みんなで頑張って商品登録を進めています!


まだ完成している作品のうち、一部しか掲載出来ていませんが、これからどんどん増やしていきたいと思います!


2月いっぱいのOPENを予定しておりましたが、状況も変わり、商品の登録もマイペースにしているので3月末まで延長しようと思います!

(もしかしたらそのまま…)


オンラインでのお買い物に慣れていない方も多いかと思いますが、この機会に体験してみていただけたらと思います!


早くこの状況が落ち着いて、また皆さまと顔を合わせての販売やショップ運営が出来たらいいなぁと思っています(`・ω・´)


ではでは、今回はこのへんで☆

最後までご覧くださり、ありがとうございました!


茗荷谷クラブスタッフ  岩田知子


エッセンシャルワークとなった中間的就労

 こんにちは。

今回は私たちの中間的就労についてお話をさせていただければと思います。


社会の中でどのように生きていくか、その試行錯誤ができる働く場として、茗荷谷クラブは中間的就労という形で実施をしています。


ご本人のペースで取り組めるように短時間であったり、ご本人たちが安心できるようチームで入ったり、見知った人たちでできるように場をつくっています。


そうした中間的就労の場は現在倉庫作業や清掃作業が現在中心です。



そしてその中間的就労は緊急事態宣言中どうなっていたかと言われますと、実施を続けておりました。


と言いますのは、その団体においてとても必要なことであったからです。


中間的就労はご本人たちに利するものと思われがち、なりがちですが、実は団体や企業にとってとても助かっているものなのです。


特に高齢者施設や障害者施設での清掃作業はそうです。


各施設では安定した日常を営む上で、健康を維持する上では清掃作業はなくてはならないものだったのです。


そしてそれは昨今の「リモート化」「デジタルトランスフォーメーション」では代替不可能なものです。


エッセンシャルワーク。


そうした言葉がぴったりきます。

リモートでは代替できない、本質的な人としての営為を実施してくれていると実感しております。


このエッセンシャルワークに従事してくれているメンバーさんたちは、緊急事態宣言中の感染の恐怖と向き合いながら、「仕事」に従事してくれております。


彼らのことを、エッセンシャルワーカーとも呼ぶことができます。


施設からも感謝されておりますし、私たちも「有り難い存在」と思います。


私たちは緊急事態宣言中の現在においても、皆さんが来れる場の選択肢として茗荷谷クラブの居場所を開き続けております。


人と人の出会いを大事にするというのが、私たちのエッセンシャルワークです。


コロナ禍において、様々なものが分断されていきます。


私たちスタッフやメンバーは人が生きていく上で何が大事か、感染予防との葛藤もありながら、エッセンシャルワークを続けていきたいと思います。


皆様の今後の応援を賜りたいと存じます。


茗荷谷クラブスタッフ 倉光洋平

2021年2月5日金曜日

チーフスタッフのコラム【2021年2月】

 今回は、茗荷谷クラブで毎週やっているプログラムの一つを紹介したいと思います。


茗荷谷クラブでは担当スタッフを中心に、工夫を凝らして、認知行動療法や、ストレスコーピング、アンガーマネージメント、アサーションなどの心理的グループワークを茗荷谷クラブ風にアレンジして、独自のプログラムを行っています。


1月にほっとスペースとSSTグループで「ほめ日記」をやりました。


「ほめ日記」とは、自分の「できたこと」「やれたこと」「考えたこと」などを自分でほめる日記です。


人からほめてもらえなくても、自分でほめれば、私たちの脳はただ“言葉”に反応するので、喜ぶそうです。ほめ言葉が脳に与えるパワーのすごさは半端ないと。


そこでメンバーさんとスタッフみんなでやってみました。


まず時間軸に沿って、ある一日の出来事を書きだします。


そして「ほめ言葉やほめる言葉で書く」(例:8時に起きて朝ご飯を作って食べた⇒8時に起きて朝ご飯を作って食べた自分はえらい!)


違和感があってもとにかく書く。できたことだけでなくて、やらなかったこともほめる(例:昨日はビールを1缶しか飲まなかった⇒ビールを1缶だけで済ませた私はすごい!)。


出来事だけでなく感じたことや思ったこともOK(例:ドラマを観て感動して泣いてしまった私って感受性豊かで素敵!)。


これらをそれぞれ発表してグループのみんなに聞いてもらいます。


かなり照れ臭いけれど、思い切って言ってみたら、みんなが「うんえらい!」とか「すごいね!」とか言ってくれて、とても嬉しい気分になりました。


ほめ日記を毎日つけていると(まさに継続が大事だそうです)どういうことが起こるかと言うとまず、


①ネガティブ思考が浮かばなくなる。どうせ自分なんか・・・といったような。


②人の評価を気にしなくなる。評価の基準を自分自身に持ってくることができるので、人にどう思われているかをあまり気にしなくなる。


③周りとの関係が良くなる。自分に優しくなると、人にも優しくなれるので、周りの人もいつのまにか変わってくる。


うーん、確かに!自分の脳は喜び、みんなもとても楽しそうに喜んでいるなあと、とてもいい時間が過ごせました。


いろんな人の日常も垣間見られて理解が深まりました。


コロナ禍でストレスがたまったり、いらいらすることも多い昨今、とにかく、ペンと紙を使って「書く」ってとても大事だと思いました。


そしてそれを人に聞いてもらえたら、もっとパワーをもらえるなあと実感しました。


少しでも、自分も周りの人も幸せになれるように、試してみませんか?


【参考文献:「ほめ日記」をつけると幸せになる! 手塚千砂子 メディアファクトリー】

                            チーフスタッフ 井利由利


2021年1月15日金曜日

チーフスタッフのコラム【2021年1月】

 私事ですが、12月にコラムを書かなければいけない時期に、入院ということになってしまいました。

突然倒れるような塩梅でみんなを驚かせ、本当に情けない・・・!


肝嚢胞に細菌が入り込み(ちなみに肝嚢胞は誰にもあるわけではなく先天性の水袋のようなもので、あっても普通は何の問題もないものです)、それが増殖して炎症を起こし、肝臓や胃や腎臓がアラームを発するような状態で、…でも、治りました!


一時はあまりに痛くて治らないし、だめか・・・と思った時に、娘が「大丈夫!お医者さんを信じて!頼って!」のメールに励まされ乗り切りました。

信じることの大切さを改めて感じた次第です。


さて、今回は少し脳の話をしたいと思います。(「脳科学から感情を考える」ー米田英輔准教授の講演より)


脳とは頭にある神経の中枢で、神経細胞ニューロンは情動を生み出すのですが、まだまだ分からないところが多いそうです。


基本的な喜怒哀楽の情動(basic-emotion)は人間の進化に必要なものでした。

特に怒りの感情は、恐怖の防衛反応ともいわれ、私たちの命を守るために必要不可欠でした。


危険が迫ったとき、敵と対峙した時に身を守るため、「攻撃」か「逃避」行動をとるように脳が働きます。

自分の怒りの感情は、辛いし、持て余してしまうことも多いのですが、怒りは、私たちの生存のための脳の基本的な働きです。


この部分は偏桃体が活動しています。

また、私たちは悲しいときも、困ったときも怒ってしまいます。これは、同じ脳領域(偏桃体)が活動しているからだそうです。


次に他者について考えるときに生まれる感情、社会的感情(social emotions)についてです。


取り上げたのは、「妬み」と「他人の不幸に対する喜び」です。この二つの感情を賦活させる物語を読んでもらい、脳の活動をfMRIという実験装置を使って計測しました。


結果は…。

■「妬み」について

実験参加者は自分より優れており同性の登場人物に対し強い妬みを感じ、前部帯状回が活動。

これは葛藤や身体的な痛みを処理する脳内部位で、「妬み」は脳内では「痛み」と同じ部位が活動するようです。


■「他人の不幸に対する喜び」について

人がひどい目に会った時に喜びを感じるようにできていて、これは、腹側線条体の活動が関係しているという結果が出ました。

この線条体は「報酬」を受けた時に活動する脳領域だそうです。


というわけで、いやはや、私たちの嫌だなあを思う自分の感情は、進化の過程で必要であり、かつ脳の仕組みがそうなっているのですから、ある意味仕方ない・・・。


そのことを認識することは、大きな強みとなるのではないかと思います。

ただ確かに個人差はあるわけで(生まれつきだったり、大きくは環境との相互作用と言われています)、脳の個人差ともいえます。


生きづらくさせている社会的情動を制御し、レジリエンスを高めるためには、グループ活動と自分の感情に気づくこと、個人の過去を含めた自伝的物語を「なつかしさ」として聞いてもらえることが有効であることを米田先生は実証されています。


そして、私たちの脳の不思議さとその柔軟性、互いに補おうとする力は信じられるものです。


「脳が壊れた」(鈴木大輔・著)は実際の自身の脳梗塞の体験を詳細に語った本です。

その中の1文を紹介して今回を終えようと思います。


「当たり前の話だが、コミュニケーション力や他者への共感力なども、個人差はあれど多くは教育と訓練の経験の中で発達していくものであり、機能不全家庭の中で適切なコミュニケーションを経験せずに育ってきた彼らが「発達不全」なのは障害ではなく自然な成り行きなのだ。


脳梗塞で幾分かの脳細胞を失った僕は、この発達途上の段階にいきなり逆戻りさせられ、リハビリによってその発達の追体験をしている。

 

これはまた、なんと稀有な体験だろう」


行きつ戻りつしながら、私達は生涯リハビリを続けていくのかもしれません。


チーフスタッフ 井利由利