江戸川区ひきこもり大規模調査-18万世帯調査-が2022年6月10日に発表されました。
調査は15歳以上で給与収入に課税されていない人や介護など行政サービスを利用していない人を対象としています。
これによれば実に24世帯に1世帯にひきこもりの方がいるということになります。
年代別のひきこもり当事者で最も多かったのは、40代で17.1%。
ひきこもり期間は、1~3年未満が28.7%と最多で10年以上も25.7%いました。
ひきこもりの当事者が求めているものについて複数回答で聞いたところ「就労に向けた準備、アルバイトや働き場所の紹介」が最も多く、21%、次いで「短時間でも働ける職場」が18%と就労に関する回答が合わせて39%となっているほか、「身体・精神面について専門機関への相談」が16%「友達や仲間づくり」が15%となっています。
一方で、「何も必要ない、今のままでよい」とした人が32%となっています。
気になったのは、今のままでよいとした人が32%もいたことです。
私たちが支援をしていく中で、いわゆる「支援」を求めていない人も多々いて、「どう支援に結びつけるかが課題」などとされていますが、問題はなぜ、この方たちが「ひきこもり」と呼ばれなければならないのか?ではないでしょうか。
ひきこもりの中核は、「家族以外の人間関係が自分の意図を超えてない」ことなので、特に相談…と言われても何を相談すればいいか困るけど、孤独である‥ということなのかなと想像します。
「ひきこもり」などとスティグマを貼る前に、地域社会が孤立・孤独な人を生み出していることにまず取り組むべきではないかと思いました。
三浦展さんの著書『永続孤独社会』に「楽しさ」から「うれしさ」へという一文があります。
「楽しい」も「うれしい」も似たような言葉ですが、たとえば、「昨日のカラオケ盛り上がって楽しかったね」というのと「昨日のカラオケ盛り上がってうれしかった」というのでは、ニュアンスに差があります。
楽しかったというのはカラオケという出来事に力点がありますが、うれしかったは、そこでみんなで歌えたことに力点があります。
「うれしいの根源は究極的には「愛された」という感覚、自分の存在を受け止めてもらえたという感覚なのだろう」と三浦氏は言います。
何かイベントをして楽しいことはもちろん大切ですが、悲しみや悩みを受け止めるうれしい街づくり、人と人とのつながりのある「愛想のよい」街づくりを目指すことが必要だと思うのです。
様々な「支援」が逆にスティグマを増長していくことがないように、形ばかりではない、うれしい場が増えていくといいなと思います。
地域にうれしい場がたくさんあれば・・・、それはお店だったり、図書館だったり、公園だったり、隣人でもよくて、家から一歩出られる街を地域が作ることが必要なのではないかと。
それは私たち一人ひとりが自分事として考えなければならない課題であると思います。
チーフスタッフ 井利由利
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