3月の春休みとGWに映画を見ました。
『ドラえもん のび太の小宇宙戦争』と『クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』です。
いやはや、映画館には5歳くらいから小学生がいっぱいで、みんな笑ったり、泣いたりでとても楽しい気分になりました。
二つの映画を見て、印象に残った共通点があります。
ドラえもんでは、宇宙のかなたにある小さな星、ピリカ星の小さな小さな大統領パピと一緒にドラえもんたちが戦う笑いあり涙ありの大冒険なのですが、パピが「君たちにこれ以上迷惑はかけられない」とドラえもんたちに黙って一人で戦いに行こうとします。のび太をそれに気づいて、こう言います。
「どうして助けてって言わないの?僕たちは友達じゃない!」(セリフは不確かな記憶なので正確ではないです・・・)。
クレヨンしんちゃんでは、お母さんのみさえが、やはり一人で戦いに行こうとするもう一人のニンジャのお母さんに向かって、こう言います。
「一人でなんて無理じゃないの!なんで助けてって言わないの?子どもを守るために助けてって言いなさい!」(セリフは不確かな記憶なので正確ではないです・・・)。
私が子どものころは、「人を頼ってはいけない」「迷惑をかけてはいけない」「自分で責任をとりなさい」と教えられて、それを守ることが人として大事なんだと思い込まされてきました。
子どもたちへのメッセージがずいぶんと変わってきたなと思います。
Z世代の人達は、どういう価値観を持っているのだろう?
デジタルネイティブ、あるいはスマホネイティブと呼ばれる1990年代の半ばから2012年頃に生まれた若者たちです。
『費用対効果を重視する「コスパ」に対し、時間対効果を重視する考えの「タムパ」という言葉が使われることがあります。Z世代は仕事でタムパを重視する傾向があり、短い時間で効率的よく成果を出すことが望ましいと考えます。プライベート重視でもあるため、仕事は定時で終わらせることが理想です。サービス残業や付き合い残業などは、Z世代が職場で強く嫌うものの1つで、タムパに逆行するものでしかない時代遅れの働き方と考えます。』(マイナビニュースより)
『ダイバーシティとは多様性のことで、Z世代は多様な価値観・考えを尊重する傾向が見られます。よって異なる人種・性的少数者・障害者など、他者との違いを柔軟に受け入れる度量があります。インクルーシブとは簡単に言うと「排除しない」ことで、インクルーシブな社会を目指すという意味で使われる言葉です。Z世代は一部の人を追い出すことのない、インクルーシブな社会を望ましいと考えます。』(マイナビニュースより)
これだけ情報の波にさらされている中で「タムパ」は道理に合っているけれど、倍速視聴などなんだか余裕がないようにも思えます。でも、よく考えたら、「コスパ」はもう古い。
一見無駄のように思えるもの、世の中には数値化できない素敵なこと(もの)があふれている。そのことにみんな気がつき始めて効率よく自分が「オリジナルでいい」と思えるものを探しているのだと思います。
「僕らの時はそんなんじゃなかった」「生きにくい時代だったと思う。今中学生だったら、高校生だったら自分も違っていたのに」と40代、50代の不登校やひきこもりを経験してきた人からよく聞きます。今もなお私が子供だった頃のかつての(昭和の?)価値観に縛られて苦しんでいる人もいます。
でも、子どもたちの笑い声を聞いていると、時代の流れにしたがって子どもたちは進化している、インクルーシブで多様性を重視する価値観を持って大人になって羽ばたいていくのではないかと思えました。とても良い時間でした。
もちろん、現在の社会情勢、経済的格差や教育格差、親ガチャなど、問題は山積みですが。
とにかく子どもたちに明るい未来を・・!そのために私たちは何をすべきで、私に何ができるだろうか…と日々思ってやみません。
チーフスタッフ 井利由利