今月も恒例の、「茗荷谷クラブチーフスタッフのコラム」が届きましたのでお届けいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
■茗荷谷クラブの理念…「対話」とは?
去る6月30日(土)に文京区ひきこもり等自立支援事業「STEP」による家族講演会&個別相談会を行いました(こちらの事業は平成26年度より、茗荷谷クラブ受託事業となっております)。
文京区の方を含め、100人以上のご家族の方が、熱心に斎藤環先生の「ひきこもりダイアローグ」講演に耳を傾けられていました。
斎藤先生は「説得や議論はしてはいけません。なぜならそれは結論ありきだから。それは対話ではありません。無心に対話をする境地に至ってほしい」と教えてくださいました。
ご家族の方から「茗荷谷クラブに来られる人はいいけれど、まだそういうところへも行けないんです」という声をよく聞きます。
もちろん必ずしも、茗荷谷クラブへ行かなければならないということはありませんし、どのような所へつながるかはその人の意志です。ですので対話をすることによってのみ、それが引き出されてきます。
多くの親御さんが、その方が自由に意のままに動けることを、―それがどのような方向でも―ただ願っているのに、なぜか対話ではなく、説得や強制になりがちです。
茗荷谷クラブでは、対話を目指しています。相手の意を汲んだ物言いを考えすぎるがゆえに、言葉が出ない、何か違ってしまうという経験は誰もがすることではありますが…
少しでも、対等に自分の意志を伝えることができるよう、プログラムや日々のお付き合いの中で行っています。
そして対等な対話によって、自分を認め、自らの手でオールを握り、進んでいる感覚を得ることができるようになってきます。「主体性」の回復は茗荷谷クラブの大切な理念です。
また個別相談部門である茗荷谷クラブメンタル部門相談室では、対話のやり方を親御さんと一緒に考えます(このやり方が全くできないご家庭も多いです)。
その中で、
実践⇒振り返り(「うーん、出来なかった!」など)⇒理解⇒再び実践…を繰り返し行います。
そして少しずつ、対話ができるようになると、ご本人とお会いできなくても、自らご本人が動き出すことも多いです。私たち臨床心理士はとても言葉を大事にしています。よろしかったら、ぜひ、扉をたたいてください。
■2018年6月のトピックス
去る6月10日(日)に、「親とスタッフの会」を行いました。茗荷谷クラブでは、年4回、メンバーさんの親御さんとスタッフの話し合い、親御さん同士の交流の場を開いています。今回も、15名の方が参加してくださいました。
「親の心、子知らず」ということわざがあります。
これは、親の想いをあらわしたものだと思いますが、子どもは親の心を知る必要のない時期が必ずあります。この時期があって、いろいろな「秘密」をもって、その時期を越えると…一人の大人同士として親と付き合えるのだと思います。
ですから、親の大変さは、自分の子どもではなく、他の人に支えてもらいたいし、支えられなければなりません。
そこで今回は少しずつ、書き溜めていた「あるあるかるた(親編)」を紹介します。特にお母さま方へのエールになればいいなあと、私自身へのエールも込めて書きました。
立場が子ども側の方は、聞き流してください。お母さま方が、「うん、それ、ある!ある!」と言っていただけると幸いです。
■あるあるかるた(親編)
あさ4時に部屋の電気がやっと消え
いっき(一喜)一憂もうたくさん
うん、というこの顔見るも視線は合わず
えがお(笑顔)を見たい、ただそれだけなのに
おっと(夫)という人どこ行った?
かわれるよ(変われるよ)、まずは自分と言い聞かせ
き(気)にしてないふり気にしてる
くつひも(靴ひも)を結べなかった我が子を思う
けっきょく(結局)言えなかった「どうするの?」
こっそりと覗いてみたい部屋の中
さっきまで機嫌よかったのになぜ怒る
しんじよう(信じよう)!できない自分に腹が立ち
スマホ見る、我が子にかける言葉無し
せんさい(繊細)な幼子を抱えきれずにここまで来たか
そばにいて見守る夫に感謝かな
■おわりに
というわけで、今月のコラムはいかがでしたでしょうか?カルタの続編も気になるところですが…こんな感じで毎月更新していきますので、これからもよろしくお願いいたします。
ご観覧ありがとうございました。
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