2024年9月10日火曜日

「身体の共鳴」~チーフスタッフコラム 2024年9月

なぜかゴリラに惹かれる。
イケメンゴリラなんてほんと理想的♡

(イケメンゴリラ シャバーニ)

というわけでゴリラについて探っていったら、山極壽一所長(総合地球環境学研究所)のNHKアカデミアに出会いとても感動しました!今回はそれを書いてみたいと思います。

NHKアカデミアによれば、山極氏がゴリラに惹かれたのは、ゴリラの暮らしや生き方を学んで、その中に人間の祖先の暮らしを想像することができる。人間の本性というのが、まさにそこに眠っているからです。ゴリラは私たちの祖先ですものね。

例えば、「胸をたたくドラミングも”相手と戦わずして引き分ける“ためのコミュニケーション」だといいます。
その他、「けんかやトラブルを巧妙に仲裁する」 「ゴリラの民主主義」「ゴリラのオスはとても子育て上手。えこひいきしない。平等な立場でつきあえるように父親は振る舞う」「食べ物を分配する行為」など、人類の本質的な姿がたくさん書かれています。ぜひ、読んでみてください!

しかも山極氏はこう言います。

「ゴリラってね、親しくすると距離がなくなってしまうぐ らい、密接してつきあうことができるようになるんです。例えば雨が降ってきて、私が木のウロの中で雨宿りをしていると、タイタスがやってきて私の肩に両腕を投げかけて…抱き合って 1 時間も一緒に眠るということをやったことがありますけれどね、それだけ親しくなれる。だからゴリラは本当に親しくなると、その暮らしというものを、社会というものを、内側から眺めさせてくれる。そういう存在になるんですね。」

何と!ゴリラと友達になるなんて!

そのためにはどうしたらいいのだろうか?と考えた時、ゴリラは言葉を持たないということを忘れてはなりません。
長い引用ご容赦ください。

「人間は常に言葉を介してつきあうので、ひょっとしたら自然とまともにつきあっていないかもしれない。それがゴリラとは違うところだと思います。例えば、言葉で通じ合わせることをやめて、友達と一緒に夕焼けを見るということをしてみるとよく分かりますよ、そのことが。感動していても、それを表現する言葉が見つからないときってあるじゃないですか。それがゴリラと僕が経験したことなんですよね。言葉を持っていないから言葉でわざわざ言い表さなくてもいい。だけど、相手が感じていることが自分にも分かるという経験をするんですよね。そうすると相手にすごく近づけるんです。」

「言語に偏り過ぎたコミュニケーションを考え直して、もっと身体的なコミュニケーションを増やして、人と人とが信頼関係を構築することだと思います。一緒に食事をすること、一緒に音楽を演奏したり歌を歌うこと、 ダンスを一緒にすること、スポーツをすること、あるいは共同のボランティア活動に参加をしたりして、身体を共鳴させることです。「身体の共鳴」が、お互いの共感を呼ぶんです。
言葉以外のコミュニケーションを増やすことによって、相手の身体に埋め込まれている気持ちや感情を深く知ることができ、それによって相互理解が深まるんだと思うんです。私たちは今、この戦争がまん延している、暴力がいろんなところで起こっている社会を見直して、新たな共同体、新たな社会というものを創造するために、これまでにはないアイデンティティーの確立を目指さなければならないと思っています。」

実は、茗荷谷クラブの居場所を紹介した時に、遊んでいるだけでいいのか?というような疑問を呈した方もいました。
一緒に体を動かして遊ぶことの大切さをどう伝えればいいのか?といつも思い、やはり言葉に頼らざるを得ないのですが、伝わる言葉を探しています。

私自身は、「身体の共鳴」によってつながりやエネルギ―がもらえていく過程を実感できる、そのことがとても幸せなことだと感じ、日々茗荷谷クラブの活動を楽しんでいます。
皆さんにもぜひ、知って欲しいです。
                                          チーフスタッフ 井利由利

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