2019年7月9日火曜日

茗荷谷クラブチーフスタッフのコラム&トピックス☆2019年7月9日号

■はじめに


いつもご覧いただきありがとうございます。今月も毎月更新、チーフスタッフのコラムをお届けします。





ご存知の通り、ここ最近はひきこもりに関する報道が急増し、私たちも改めて「自分自身が何を大切にして、社会にどのように発信していくか?」ということを考える契機となりました。





ということで、今回はちょっと長めな文章になりますが、後半はいつもの通りクラブの様子もお伝えしていますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。





■昨今の報道について



去る令和元年6月30日(日)に、緊急シンポジウム「ひきこもりとメディア」~「容疑者はひきこもりでした」報道をめぐって~が、「一般社団法人ひきこもりUX会議・チームぼそっと」主催にて、(公社)青少年健康センター」協力のもと、開催されました。





ひきこもりに対する偏見を払拭したい。そのために報道はどうあってほしいのか、当事者は何ができるのか?について議論が交わされ、一言でいうと、「ここには、わかってくれる人がたくさんいる!」という想いを持って帰ってきました。





ひきこもりという大きな主語によって、くくられることの非常な違和感、100人いれば100通りの方がいるにも関わらず「大きな主語」で語られてしまう報道のあり方、それを受け取る側もわかったつもりになって偏見を助長させていることに気が付かない…。





例えば、メディアに発信をしている当事者の方も、





「自分はひきこもった経験のみを共有している人であり、当事者の代表ではない。深い根はみんな違うということを必ず言っているのに、カットされてしまう。そこを検証しなければならないのに…」という言葉が印象に残りました。





そもそも人が人に伝えるコミュニケーションは不完全であり、どこを強調し、どこをカットするかによっていかようにも操作できることをもっと私たちは認識しなければならないのでしょう。





この事件を受けて、自分も暴発してしまうのではないかと怖くなった人も多いと聞きます。





思うことと実際に行動することは千里の隔たりがありますが、こうした暴力的な負の感情は、人としてあたりまえにあるものです。





しかし、そうした気持ちが共存していることを説明するのが非常に難しい。





矛盾した領域を深めていく機会にしてほしいと述べた「ぼそっと」さんの言葉が非常に印象的でした。私個人として、このことを伝えていくことの大切さをとても感じているからです。





あたりまえの感情を、負の感情ももっていていい、感じてもいいということが、自分に許せない方が多くいます。





罪悪感と恐怖に苦しめられています。良い感情と悪い感情があり、悪い感情は感じてもいけないとなると、人のバランスは崩れてしまいます。





例えば、誰かが「一人で死ねばいい」とつぶやいた。





「一人で死ねばいい」は感情論であり、それが正しいか正しくないかという議論をすること自体が本質的に違っているのでなないか、そのことを取り上げるメディアのあり方に問題があるのではないかと思います。





先日、TVのニュース(Mr.サンデー)で取り上げられているのにはびっくりしました。新聞社では、紙幅の関係上、何をトップにどのような見出しをつけるか、この案件について、どれくらいの紙面を割くかについて日々会議をし、紙面を作っていると思います。





そこには、バランス感覚と、感情面に振り回されない事実であるという冷静な判断が求められていると思います(以前、少しだけ新聞社で働いていた経験から、そのことを、叩き込まれた覚えがあります)。





ネットはどうでしょうか。日々、情報は次々と垂れ流され、何が重要かは個人の判断にゆだねられてしまいます。





そして、感情的な言葉が並ぶ、感情のるつぼとなっている場合が少なくないのではないでしょうか。それはそれでよいのですが、このことの認識が必要です。





少なくとも「報道」という看板を背負うメディア、TV報道などは、それが感情面なのか事実なのかを分化させて報道してもらいたいと思います。





例えば、ある議員はこう言っていたなど、時々、誰が言っていたかもわからない、しかも非公式のつぶやきのような感情の吐露が報道されますが、それではまるで噂話と感情論の世界ではないかと思います。





そう思ってこのコラムを見直してみると、すべて、私個人の想いや気持ちであって、時々その根拠を理論的にそれっぽく述べているに過ぎないなと改めて感じます。





…と思って読んでください…。



■2019年6月のトピックス…「自主プログラム」





今月は「自主プログラム」の月でした。





いつもはスタッフがプログラムを作成し、午後のプログラムの時間で行うのですが、「自主プログラム」というものはメンバーさんがやりたいことを決め、スタッフがそれに協力するという形のプログラムのことです。



金曜日の「ほっとスペースグループ」は上野動物園、水曜日のSSTグループは、「秋葉原カラオケグループと秋葉原近江屋×ゲーセン×散策グループ」の2つ、ゆったりスペースは、「手作りつけ麺とカードゲーム大会」となりました。





これらは全て話し合いを経て、皆で決めたプログラムです。





思ったことをその場ですぐに口にすることができずに、ため込むことによって、自分でもよくわからない感情が出て、八つ当たりのようになってしまうということを経験したことのある人は多いのではないでしょうか?





「この感情は感じていいのか?」とまず頭にのせて考えるがために、言えなくなる、さらには、もうしんどくて感じることを止めてしまうなどが起こります。





もちろんなんでも口に出していいということにはなりませんが、抑えすぎることによって何も言えない自分・・・と自信を無くしていくことがあります。





どこまで?言っていいのかの程度の問題が実は一番難しいのですが、これは経験していくしかありません。





自由で安全で守られた場では、そして、聞いてくれる人がいれば、人は自分の感情をその場で自由に、バランスよく出すことができます。





そんな雰囲気を作っていくことが願いです。そして、自主プログラムの話し合いがそのように自由に発言できる場であることを嬉しく思います。メンバーさんの力に負うところがとても大きいです!ありがとうございました!とても楽しい自主プログラムでした。



■終わりに



というわけで今月のコラムはいかがでしたでしょうか。これからもこのように色んな情報を発信していきたいと思いますので、このチーフスタッフのコラムともども、よろしくお願いいたします。


それでは長文ご観覧ありがとうございました。

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