2019年12月4日水曜日

チーフスタッフのコラム&トピックス☆2019年12月4日号

■はじめに


いつもご覧いただきありがとうございます。早いもので今年最後のチーフスタッフのコラムとなりました。今年は元号が変わるという歴史的な一年でもあったわけですが、そんな一年の締めに開催されたシンポジウムのご報告からまずはお届けします!



■引きこもりの時代、平成をふりかえる


去る11月16日(土)公益社団法人青少年健康センター主催の2019年度シンポジウム「ひきこもりの時代、平成をふりかえる―当事者とともに、ひきこもりの時代の平成を見つめなおし、新時代令和における視座を見つけ出す―」が開催されました。



社会学者で著書に「ひきこもりの<ゴール>-「就労」でもなく「対人関係」でもなく」がある石川良子さん、斎藤環精神科医、ひきこもり新聞編集長で元ひきこもり当事者の木村ナオヒロさん、ひきこもり女子会UX会議代表の林恭子さん、HIKIPOS・ひきポス記者で当事者発信を行っているぼそっと池井多さんと錚々たるメンバーが集まってくださいました。



ここではシンポジウムに参加した一人として、思ったことを書いてみたいと思います。



当日は250人が集まり、その熱気にびっくりすると同時に、こもごもそれぞれの立場によって、さまざまな気持ち、考えがあったであろうなと、それらをすべて公平に取り上げることはできないし、結論は出なくとも対話を重ねていくことができればいいと思いました。



私が出会ってきた人たち、出会えていない人たち、当事者会に行ける人たち、行けない人たち、家族の想い、様々な人がいます。



こうした様々な人たちの横のつながりが「ひきこもり」と括ろうとするあまり、逆に切れてしまう要素もはらんでいることを危惧し、意識していくことが大切であると思います。



自分たちがひきこもりの代表というわけではなく、あくまで一例に過ぎないと、木村さんもぼそっとさんも強調しています。



何か私の感じる違和感は、この言葉をちゃんと伝えていくことで払拭されるのかもしれません。



ではどうすればいいのか?



誰もが孤立せずに自分らしく生きられる社会を作るために、以下の言葉をこのシンポジウムから拾い出し、( )をつけました。冷静に伝えていきたいと思います。



・ 当事者だからこのように接しなければならないではなく(支援ー被支援という関係ではなく)フラットな関係で話ができること(石川さん)。



・ 当事者(すべての障害・困窮等について)を守るための暴力支援団体に対する報道のガイドラインを作る(木村さん)。



・ 幸せになることがゴール。その幸せは一人ひとり違う。一緒に考え、そっと後ろからサポートするのが支援(林さん)。



・ ひきこもりは問題ではない。ひきこもり(すべての障害・困窮等について)を恥から解き放つのが令和の課題(ぼそっとさん)。



・ (すべての人の)生のあり様を認められるゆるっとした多様性を持った社会をめざしたい。



こう書いていくと、ただ理想論を言っているだけにも感じますが、ひきこもりの人たち、そしてサイレントな人たちであれば、それを関係者が代弁して発信することによって、現実に近づけて行くことができるのではないかと“希望”を感じられるシンポジウムでした。



たくさんの方が集まってくれたことも大きな励みとなりました。



■今月のトピックス…11月は年に一度の室内スポーツ大会!


11月20日(水)は恒例のスポーツ大会でした。



体育館を借りてバレーボール、バトミントン、バスケットボールを楽しみました。メンバーさんOBを含めて33人、スタッフ6人の合計39人が集まりました。運動は体にも心にもとても良いし、メンバーさんからのニーズも大きいですね!



チーム対抗が多いので、学校時代に嫌な思いをした人も少なくありません。そんなこんなをわかっているのでみんなとても優しいです。本当にありがたいと思います。



そして、この日久しぶりに短歌を持ってきてくださった方がいました。今回紹介できるのがとても嬉しいです。



まず、NHKの「短歌de胸キュン」という番組でも紹介され、佐伯裕子先生が詠んで、とてもよい短歌、言葉の使い方がとても良いと褒めていた短歌から紹介します。



”弟が私の前を歩いてく 彼がひとりで暮らす街では”



さらにあと2作品、当日持ってきてくれたものを紹介します。



”前を行く君の背中を追いかける 僕は未だにあだ名で呼べず”



”はにかんだ顔を耳まで赤らめる 初恋の子が飼ってたうさぎ”



いかがでしたでしょうか?その情景や心情が自然と思い浮かびます。



この方が詠んでくれた歌ですが、自分なりの想像とリンクし、共通の体験をしているような(もちろん同じであるわけはないですが)心地よさがあります。



今回も本当にありがとうございました。また、お待ちしていますね。



■終わりに


というわけで今月号のコラム、いかがでしたでしょうか。来年はオリンピックの年でもあり2020という節目の年でもありますが…一体どんな年になるのでしょう?



まずは皆様にとって良い年末年始でありますように。ご観覧ありがとうございました。

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