2018年11月13日火曜日

茗荷谷クラブチーフスタッフのコラム&トピックス☆2018年11月13日号


■はじめに

今月も月一ペースで更新しております「茗荷谷クラブのチーフスタッフのコラム」が届きました。
今月は先月行われた茗荷谷クラブの大イベントの旅行のご報告などもありますので、よろしくお願いいたします!


■茗荷谷クラブの「安心感」について

私たち「茗荷谷クラブ」は、「安心できる場所」、「自分はここに居ていいんだと思える居場所」を目指しています。

でも…「安心できるってどういうことなんだろう?」「なぜ、人は安心していられる“居場所”を求めるのだろう?」といったことについて今回は少し書いてみようと思います。

「自分が見てる世界とこの方の見えている世界は違うんだ」と思うことが多々あります。同じ景色を見ていても、違って見えている。

当たり前と言えば、当たり前ですが、そのことを忘れがちになると、その方の話すことを理解するのが難しくなります。

例えば私が講演などで話すとき、私の目にはある程度聞き手側の皆さんは「温かく聞いてくれている」と見えています。

でも時には同じ場面でも、「何か非難されている」ような、全然聞いてくれていないように見えるときもあります。

つまり実際に起きている「事実」と、自分の感じている「事実」の関係性ははあってないようなもの。

なのでこの、「別に根拠はないけれど、何か温かく迎え入れてくれている世界」を感じられることが安心感だと思います。

安心か不安かのどちらなのか(もちろんグラデーションにはなっているでしょう)ということは、その人の生きづらさや自尊感情、自信にかかわってくるほどとても大切な感覚です。

この世界に対する安心感、基本的信頼感は、私たちが赤ちゃんから育っていく過程での体験が大きく影響しているといわれています。過去に虐待を受けてきた方が、今もなお、外の世界に対して感じている不安や恐怖感を想像してください。

それは、計り知れず、その人の後ろにそっと立ってその人と同じ世界を見ようとしなければ見ることができません。ある方は、沸いてくる恐怖感をどうやって克服すればいいのかと戦い続けてきました。

そして「安心感をずっと求めていたことに気がついた。でも安心感は外側から得られるものではないと分かった」「今の大人の自分がいるから安心だよ、とそう自分に言ってあげて自分の内側で安心感を得ることができる」「自分と自分がつながれる感覚」と話しました。

虐待ではないけれど、なんらかの傷つきを持つ方が多いです。

せめてここに「自分がいてもいいんだ」という安心できる感覚を何とか提供できる居場所でありたい。外側の安心感はみずもので、絶対的なものはありません。だからこそ、自分で自分に安心感を与えてあげられる外側でありたいと思います。


■2018年10月のトピックス

10月のトピックスは何といっても秋の1泊旅行ですね!どんな旅行だったかについては、ブログに書いてあるので、ぜひお読みください!

今回の目玉は、もちろん箱根観光もありますが(雨、雨、雨・・・でしたが・・・)貸別荘でのBBQ、朝食のサンドイッチとオニオングラタンスープづくりです。

突然ですが、こちらを引用します。

『今日社会はマニュアル的な規則によって組織化され、青年期の外部への開けは早々に閉じてしまう。

おそらくはそのために「青春」という概念は終焉を迎えたように見えるのである。若者はそうした中で自身の社会的役割を見出すために、マニュアルによって課せられた諸規則に従うことを強いられる。

様々な理想が達成されるべき理想ではなくなり、出発点へと転じてしまったことと、おそらく「ひきこもり」という現象の出現とこの困難とは大きく関係している。(鈴木國文 2014)』


なぜこれを持ってきたかというと…私はこの文章が好きで、というかマニュアルがあまり好きでなく、ちょっとこじつけ気味ですが、このお話を今回の秋旅行の「ごはんづくり」に結び付けようとしているわけです。

そもそもマニュアルとは、「一般的には、初心者や未経験者があることを適切に行うための方法や基準を解説した文書のこと。手引書、手順書などともいわれる(コトバンクより)」…とあり、何かをやろうとした時の手助けになるものであります。

ですので、その通りにやることを強制したものではないはずですが、何かマニュアルから外れたことをしてはいけないという感じになり、そこには「理想」に向かう「試行錯誤」も「失敗」も許されないという風潮を感じます。

人の生き様までマニュアル化されてはたまったものではありません。行政の「支援」にありがちです。それでいいのか…?と疑問です。

その点ごはんづくりは臨機応変。

一応手順はありますが、「ああやって―!」,「こうやって―!」のよくわからない指示があちこちから飛び交う中、それぞれにみなさんが、さまざまにそのときの工夫で乗り越え、作ってくださいました。

「うん、おいしい、おいしい」、特にオニオングラタンスープは圧巻でした。おなか一杯となった次第です。ありがとございました!

行った人も行けなかった人も、また、春の一泊旅行をお楽しみに!!


■おわりに

いかがでしたでしょうか。今月は「安心感」「マニュアル」というキーワードがでてきましたが、この辺は私たち茗荷谷クラブでも日々試行錯誤しながら「マニュアル化されない安心できる居場所」というものを目指しているところであります。

次号は早いもので今年最後(?)の12月号!
来月もよろしくお願いいたします。

ご観覧ありがとうございました。

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