2025年11月25日火曜日

「子育てと子どもの権利」~チーフスタッフコラム 2025年11月

11月9日(日)台東区でひきこもり講演会がありました。
私の友人でもあるとても優秀で魅力的な、SSWの谷川由起子さんに講演をお願いしました。

西東京市で一緒に子どもの権利擁護委員をやっていたことがあります。
今回の講演では、「子どもの権利」の視点を交えて「学校が苦手だった子どもたちの家族へ」のテーマでお話していただきました。
不登校は、35万人と言われ、増え続けています。

さらに、ひきこもった方の60%以上に不登校経験があります。
不登校からずっとひきこもっていたわけではなく、通信制やサポート校、単位制高校や、定時制など未進学というわけではないのですが、ほどなく行けなくなって高校を退学したり、何とか卒業したけれど、「心情はひきこもっていました」という方、大学に行けなくなったり、就活で躓いたりと、その様相は様々ですが、なんらかの困難さを抱えたまま思春期、青年期を過ごさなければならなかったことがうかがえます。

どうすれば予防できるのだろうか?学校など関係なく、生き生きと生きることができたら、そうした環境があればひきこもらなくてもよかったのではないかと思います。

子どもが当たり前に、勉強したり、遊んだり、休んだりする権利を私たち大人は奪ってはいないだろうか?
子どもが何か自分にかかわる大事なことを決めることの権利を奪ってはいないだろうか?
自分の意見や気持ちを言う権利を奪ってはいないだろうか?
聞く人がいなければ子どもたちは黙るしかないのです。

子ども相談室で子どもたちからくるたくさんの訴え、もやもやした気持ち、納得できない気持ちを聞いていると、きっと今ひきこもっている方たちもそんな思いを抱えてきたのではないかと思います。

権利をはく奪されてきた方が新しい自分を再構築し、そして自分の意志で生きることができることは大変なことです。

親は、自身の不安や心配を、彼らに投げ込み、あるいは価値観を押しつけてはいないだろうか?
そして親子の未分化によって彼らの成長しようとする生きる権利を奪ってはいないだろうか?

子育ては決して生易しいものではありません。
3人の私の子どもたちに望むのは、それぞれが、自分が選んだ人生を自由に生きて欲しいということにつきます(とはいえ、子どもたちが小さかった頃にもそう思えていたか?と言えばあまり自信がありませんが。)

最後に谷川さんが紹介してくれた俵万智さんの短歌を紹介します(谷川さん、ありがとう!!)。
何度読み返しても、涙が出そうになります。この歌は、茗荷谷クラブを卒業していった彼ら、彼女らに対しても同じ気持ちです。

振り向かぬ子を見送れり 振り向いたときに振る手を用意しながら
最後とは知らぬ最後が過ぎてゆく その連続と思う子育て


写真を撮りにみんな外へ行き、アルバムを作りました。
私はクラブのお部屋でお留守番でした。ヤドンがいてくれました。


チーフスタッフ 井利由利

2025年11月14日金曜日

「ひきこもりつつ、社会で生きる」~社会参加ブログ(2025年10月)   

こんにちは。
11月に入り、急に気温が下がり、紅葉がきれいですが、インフルエンザも流行してきています。皆さんは、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、10月の社会参加講座「ひきこもりつつ、社会で生きる」(講師・割田大悟氏)を取り上げます。

講座は、10/31(金)午後5時~6時半に開催しました。
参加者はメンバーさん6名、スタッフと実習生を含めて、10数名の参加でした。ご参加ありがとうございました。

割田さんは、横浜の「ひき桜」という当事者グループを立ち上げられた方です。
今年でひき桜の運営開始から10年で、10周年記念として、『ひきこもりピアサポート日記~ひき桜と当事者活動の10年を振り返る~』という著書も刊行されました。すばらしいですね!


お話の内容は、ご自身の経験、ひき桜の活動と10年の振り返り、当事者グループの運営やひきこもり支援について思うこと、についてのお話でした。
お話の後に、質疑応答の時間もあり、メンバーさんから出た、現在の仕事についてもお話をしていただきました。
他にも質問がメンバーさんからいくつも出て、時間が足りないくらいでした。
ひきこもり経験者として、他に仕事をしながら、無料に近い活動を10年も続けられていることに、感無量の思いで一杯になりました。


今回、参加されなかった皆さんも、よろしければ、上の本を手に取ってみていただければと思います。
内容は、今までのことや、活動、ひきこもり支援に思うことなどが、とても分かりやすく書かれています。Amazonで手に入るようです。
割田さん、貴重なお話、本当にありがとうございました。