令和7年2月25日 齋藤友紀雄先生がご逝去されました。享年88歳でした。
齋藤友紀雄先生は、1985年から青少年健康センターの設立に携わり、2004年から2021年まで会長、2021年からは名誉会長として、ずっと、私達を見守り教えてくださった方です。
その他にも、自殺予防活動への社会的貢献により、国際リングル賞受賞。「いのちの電話」、「CCCキリスト教カウンセリングセンター」など、たくさんの悩み苦しむ方々のために尽力されました。
3月7日に葬送告別式が行われ、参列致しました。その時に追悼の意を表させていただきました。
今回は、そこでお話させていただいたことを少し記したいと思います。
追悼
私は1991年から茗荷谷クラブのスタッフとして活動していました。
2006年ごろでしょうか、青少年健康センターが実はとても財政的に苦しく、このまま活動を続けていけるのだろうか、スタッフの生活を支えるだけの給与が払えない、何とかしなければと言う危機を迎えていました。
2009年に齋藤先生と飯田橋の教会でお会いしました。
私の不安や不満を丁寧に聴いてくださり、現場スタッフに迷惑をかけて申し訳ない、これかも一緒にやっていきましょう。寄付文化は日本ではまだまだですが、僕は頑張りますよ、とおっしゃってくださり、勇気づけられたことを覚えています。
その後も何度か先生のご自宅の近くの阿佐ヶ谷の喫茶店でお話を聞いていただきました。
ひきこもり支援は自殺とは切っても切れない関係にあります。
私達スタッフは常にだれかの死と向き合い、死んでしまうのではないかとの思いと自らの中で戦いながら関わっています。
齋藤先生は、「自殺は特定の個人だけでなくコミュニティーの全体の問題」としてとらえられており、この視点が日本では欠けてきたのではないかと話され、社会の問題との意識を広げてくださいました。
日本政府は2001年に初めて自殺対策を立ち上げ、2007年には自殺対策総合大綱が決定されました。
また、齋藤先生は「自殺もひきこもりも、心の弱さを抱えている若者の支援が共通の課題です。本当に必要なのは『ケア・温かいまなざし』です。そのためには『弱さ』そのものを認識し、弱さを受け入れることが必要です」。「自分自身の弱さ、他者の弱さを受け入れなさい。そしていつでも助けを求めなさい」とあの、柔らかいやさしいお顔でおっしゃってくださっています。
私は、その言葉をいつでも胸に刻み、斎藤先生に支えられてきました。
青少年健康センター茗荷谷クラブを40年近く続けられてきたのは、斎藤先生がいてくださったからです。
本当にありがとうございました。どうか安らかにそして変わらず、見守っていてください。
ありがとうございました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
チーフスタッフ 井利由利