2021年5月11日火曜日

一般社団法人 しごと・しあわせラボさんに「ショートタイムジョブとは?〜多様な働き方を目指して〜」を講話してもらいました!

 どうも!

今回の社会参加講座は、最近お知り合いになった一般社団法人 しごと・しあわせラボさん(https://s-s-lab.jp/)に「ショートタイムジョブとは?〜多様な働き方を目指して」のお話をしてもらいました!


新型コロナということもありまして、しごと・しあわせラボさんの皆様にはZoomでご参加していただき、リアルとオンラインのハイブリッドでの座談会とさせていただきました。


参加者は当団体スタッフも含めまして15名。思った以上の参加人数でした。


この「ショートタイムジョブ」は、超短時間就労とも言い換えられますが、様々な理由で就労機会に恵まれない方々(ひきこもり、介護離職、シングルマザーなどなど)に対して新たな就労機会・社会とのつながりを目指すものです。


長時間は働くことが難しいけど、短時間だったら大丈夫。

職務定義がはっきりして、特定の仕事だったら大丈夫。

そうした大丈夫があるのに、日本の雇用のあり方では対応しきれない現状をなんとかしよう、そうした取り組みの話となりました。


代表の古市さんからはご自身の家族の経験を出発点として、今の活動にいたる経緯をお話してくださり、理事の林さんにはご自身の会社での超短時間雇用の実践例をお話をしてくださり、最後に理事の高橋さんにはショートタイムジョブの理論的なお話をしてくださいました。


介護をしないといけないのに、長時間労働しかない現実。

障害者就労は週20時間以上が求められているも、そこにはなかなか難しい現実。

仕事ではなく、雇用が先立ち、とりあえず雇われてなおざりにされて働きづらくなっている現実。


そうした現実の不遇に目を背けずにとりあげて、仕組みから変えていこうという熱意がとても伝わり、私たちの視野も広げてくださいました。また少しずつその実践を紹介してくださって、希望も与えてくださいました。


参加された方からも質問が出されて、グレーゾーンの拠り所のなさ・息苦しさをお伝えくださいました。どうしても「自己責任論」に還元されがちな風潮はありますが、人と社会のつながりの課題として改めて捉え直すことの大事さを共有できた時間でした。


しごと・しあわせラボさんと志を同じにしながら、茗荷谷クラブも社会とのつながり方を「皆がいきやすくするように」模索してまいたいと思います。


茗荷谷クラブスタッフ 倉光洋平

チーフスタッフのコラム【2021年5月】

コロナ禍第4波の中,GWは自宅で過ごし、明けの6日に久しぶりに地下鉄丸ノ内線に乗りました。8時頃の地下鉄は、山手線の遅れも影響していたのか、とても混雑し、コロナ前の時と同じだ…と思いました。


コロナ禍で少し地下鉄がすいていたころに、あの混雑は何だったんだろう?ちょっと異常だったよなと思ったことをまた思い出しました。


人々の生気は全く感じられず、電車はきっかりと2分と間をあけずにホームに滑り込み、4列に並んだ人は電車に吸い込まれ、次の電車を待つ4列に並んでいた人々が横に移動する光景。この生気を失った自動人形のような状況にみんなは平気なんだろうか。


なんか変だ不思議だと感じ、少し電車がすいたコロナ禍の間、ほっとした気分を味わったのは私だけでしょうか。


ある日突然、昔とても好きだった本を思い出し、また読み始めました。1990年に発刊された「スリランカの悪魔祓い」(上田紀行著)です。


上田氏がこの本の中で上記と同じようなことを書いているのを見つけ、この感覚は30年以上も前に読んだ本が私の潜在意識の中に残っていたのだろうか?とちょっと不思議な気持ちになりました。


30年前と変わらず、ますます加速した日本。

もう限界がだったのかコロナは嫌だけど、少しでも変われるとすれば、これはよかったのかもしれないと思いました。


「スリランカの悪魔祓い」は、文化人類学者の上田先生が実際にスリランカで住民の悪魔祓いを体験したフィールドワークの記録とそこから「癒し」とは何か?を論じた本です。当時では「癒し」という言葉を初めて広めた著書だと言われているそうです。


神経や精神を病んだ人に取りついた悪魔を祓うことで、患者は元気になるのですが、そのお祭り騒ぎがすごい!「孤独」な人に悪魔が来るのであれば、太鼓やダンスでもって「孤独」を癒せばいい。村人たちが次々と集まり、厳格な式次第に沿って儀式は進行します。


圧巻は、悪魔祓いは悪魔を排除するのではなく、悪魔との和解だということです。最後には、異なった仮面をかぶった悪魔が次々に出てきて洒落や替え歌など、ドラマーとの掛け合い漫才で場内を爆笑に導きます。患者も観客も一体となって爆笑の渦です!


日本ではどうでしょうか?

神経症とか統合失調症とかひきこもりとか私たちはレッテルを張り、ますます彼らを「孤独」に追いやってしまう。ここにつながりはない。だから患者は治らない。


昨今流行りの自己啓発本などで自分を「癒す」ことは本当の意味での「癒し」とは言えないと上田氏は説きます。「癒し」は世界との、人とのつながりの中で生まれるものです。


たくさんの人に囲まれて、みんなで踊り、笑うことだけでうそのように回復していく実際の悪魔祓いを紹介しています。


先日は文京区の新たな居場所「ワークスペースさきちゃんち」開設についての集まりがありました。多様な人たちが多様であるがゆえにレッテルを張られることなく、つながりが作れる「居場所」が作れたらいい。いろいろな人が自由に出入りできるといいと思います。


茗荷谷クラブでも、2階の1室を緩くつながれる場所をつくろうと、改造計画をメンバーさんとともに進めています。どんなカフェができるかワクワクしますね!


チーフスタッフ 井利由利