2020年1月10日金曜日

チーフスタッフのコラム&トピックス☆2020年1月8日号

■はじめに


新年あけましておめでとうございます。本年もこちらのチーフスタッフのコラム共々よろしくお願いいたします!


■ただそこに「居る」こと


去る2019年12月22日(日)に、東大コミュニケーションサポートルーム主催のシンポジウム「【発達障害とひきこもり】@東京大学弥生講堂一条ホール」に登壇させていただきました。


いつも【茗荷谷クラブ】はどのようなところなのかを、どのようにみなさんにわかってもらおうかと苦心惨憺なのですが、今回、以下のことを話しました。


「発達障害など病態で分けていません。さまざまな人がそこにいる多様性を大切にしています」


「強制されない場所。成果をメンバーさんに求めてはいません。こちらが目的を提示することは“居場所”には、なじみません。当事者の方が言ってました。“就労”を目的とした“居場所”は僕らにとって“居場所”とは言えませんと」


「彼らの問題を問題とみなさず、ただ一緒にいようとします。多様なメンバーを変えることではなく、そのままのあり方で共にいようとします。基本は『あなたのことをもっと知りたい』です」


「結果としてメンバーの方に変化がみられます。変化を目的とはしていませんが、それは、さまざまな活動や交流の副産物と思います。オープンダイアローグに通じるものです。メンバーとスタッフの対等な対話の中から新たなつながり、新たな物語が生まれます」


「支援は総力戦です。彼らのニーズにできるだけ応え、使えるものはなんでも試みようとスタッフは奮闘します。」等々・・・。


ただ、そこに一緒に「居る」ということの大切さ、そこに「居られる」ようになるまでの苦しさにとことん付き合うこと、そして人は「ただそこに居てもいい場所」がないと前に進むことができません。


幼児が砂場で一人で遊べるとき(幼児にとってはかなりの勇気がいることです)、それは遠くのベンチに座っている母親の存在を感じているからです。


たとえ母親がスマホばかりを見ているとしても(と、あとから紹介する東畑開人さんも言ってました)、いざと言うときに「おかあさ~ん」とそこに戻れる安心の基地があるからです。


それは私たちが大人になっても意識、無意識にかかわらず求め続けるものです。

     
かつてだいぶ前になりますが、あるメンバーさんはクラブを「サラダボール」という言葉で表わしてくれました。


サラダの中の野菜たち、トマトやキュウリやレタスや、ピーマンやパプリカ、それぞれ味も見た目も違っているけれど、それらが一つのサラダボールにいて、、、食べると野菜たちが混ざり合って違う味を生む。


それぞれの野菜の味がより活きてくる。おいしいサラダになる。だから同じことをしなくていい。同じでなくていいと。


シンポジウムの最後の質疑応答で、「何もしない、ゲームばかりやっている居場所にどのような意味があるのか、目的は何なのかと問われるとき、どのように答えたらいいのでしょうか」という質問がフロアから出ました。


特に費用対効果を求める行政に説明するのが難しい・・・。多くの現場で頑張っている方たちが同じように考えています。


あまりにもあたりまえで、(だってそのようにして「居られる」ようになることを私たちは充分知っているのですから)しかも本質的に大切なことってなかなか言葉では説明しにくかったりします。


でも、それをちゃんと説明できるのが専門家だよな・・・と考えていました。


そんな中、年末に1冊の本に出会いました。第19回大佛次郎論壇賞を受賞した「居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書」(東畑開人著)です。


物語としても非常に面白く、ネタバレになってしまうので、これ以上は書くのを控えますが、中2病(失礼!)のような臨床心理士さんがデイケアに行って、そこでケアとセラピーについて書かれたものです。


わっ同じだ!そうだ!そうだ!と一気に読んでしまいました。臨床心理士の方にぜひ読んでほしい1冊です。


■今月のトピックス…センターバザーで「カフェ」をやりました


今月は、何といっても、センターバザーです!冷たい雨の降る中、たくさんの方に来ていただきました。ほんとうにありがとうございました!


朝の9時15分、メンバー、スタッフが集まり、準備を始めました。1階のバザーは、事務局の方々にお任せし、茗荷谷クラブの担当は、2階のカフェと3階のゲーム部屋です。


2階はカフェに作り替えるため、ちょっとおしゃれな机と椅子をレンタルし、カーテンは某スタッフの手作りです。すっかり見違えました!


3階はいつものクラブのお部屋なので、膨大なゲームの収納棚やパソコンの棚やら、キーボードやら全部運びだして、あれ?こんなに広かったっけ?という状態に作り直し。


株式会社デジタルハーツの社員さんが協力してくださり、コントローラー、モニター4台、大きなスクリーンも設置しました。


3階の別の部屋では、たくさんの玉ねぎを刻んで、たくさんのお米を研いでごはんとスパイスたっぷりの本格インドカレーの準備、みょうがもたくさん刻んで特性のたれで漬け込みます。


2階のカフェでは、キャピタルコーヒの方にプロのコーヒーの淹れ方を再度確認、教えていただき、接客、伝票の準備、シフトの確認など入念な打ち合わせのもと、スタンバイ!!


さてさて、雨も降るし・・・と思っていましたが、クラブメンバーの方、保護者の方を中心に本格コーヒー100杯、本格インドカレー45食が完売致しました!


お手伝いしてくださったメンバーの方、本当に素晴らしい働きぶりで感動的でした。


協力してくださった方々、応援に駆けつけてくださったメンバーの方、保護者の方、本当にありがとうございました。カフェ、またやりたいですね!!


■おわりに


いかがでしたでしょうか?今年も茗荷谷クラブの活動やクラブ外の活動等々…いろんなトピックを発信していく予定なのでよろしくお願いいたします!


それではご観覧ありがとうございました。

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