■はじめに
いつもご覧いただきありがとうございます。
長い長い梅雨があけて、連日の猛暑日が続いておりますが、そんな暑さに負けないような記事を今回もお届けしたいと思います。
それではよろしくお願いいたします。
■人と人とが「関わる」ということ
東京都では、ひきこもりに対応していた青少年治安・対策本部が「東京都都民安全推進本部総合推進部若年支援課」となり、ひきこもり対策から抜け、ひきこもり問題は、東京都福祉保健局の対応となりました。
また40代以上のひきこもり者が61万人を超えたという内閣府の調査結果を受けて、ひきこもりサポートネットは今年度5月より35歳以上の方も対象とする旨を発表しました。
年齢の上限を取っ払ったことには大きな意味と現実に沿った対応であると考えます。今後まだまだ時間はかかりますが、制度化が進むのでしょうか。
何らかの制度を施行する際に、忘れてはならないことがあります。ひきこもりは「現象」であり、ひとくくりにすることもパターン化することも危険です。
その方々がどのように考え、何を望み、どうしたいのかは人それぞれであり、その人に沿ったオーダーメイドの支援が(支援が必要かどうかも含めて)必要です。
制度という仕組みを作ることは大切ですが、そこに関わる支援者も、個人個人それぞれ違う関わりができる緩やかさが優先されるべきではないでしょうか。
すなわち、人間対人間の本質的なかかわりを抜きにすると、仕組みは形骸化し、逆に仕組みに乗れない人を生み出してしまうということです。
私たちは、常にそういったジレンマに陥ります。
例えば、中間的就労を行う上で、途中でドロップアウトしないようにと自分たちに何が出来るかと考え、マニュアル通りに会社側に理解を求めるために支援計画書を作成したり、本人のトリセツを作ったりということをするとします。
それでもその方が辞めざるを得なかった場合、その方は「こうまでしてもらったのに」という気持ちが大きくなり、罪悪感からつながりを持ちにくくなります。
これは、ご本人の潜在的に持っている家族の期待に応えられない自分に対するやりきれなさを賦活し、再び動けなくなる可能性もあります。
善かれと思うことが、かえってつながりを切ってしまうという結果をもたらしてしまうこともあり、どうすればいいのか?と私たちはジレンマに苦しみます。
関わりの本質…人と人が「関わる」とはどういうことなのか?
これは大きな難しい問題です。少なくとも関わりの本質にマニュアルはないだろうと思います。
つまり、マニュアルに陥るということはすでに関わりの本質から逸脱しており、それでは援助関係はできないということです。
マニュアルに沿った支援計画は意味をなさず、人と人との関係が結局は、左右することになります。恐ろしいのは、このことを忘れてマニュアルに邁進してしまうことです。常に意識していることが必要となります。
『人間は生を受けた瞬間から臨死まで主体(subject)であり続けるのであって、一瞬たりとも「客体」(object)扱いされたとき、その人間は憤る。
主体性を主張し続ける「学習者」は自分の主体を蔑ろにされたり、無視されたときは、激しく抵抗する…中略…ひきこもりや緘黙状態に陥ることも少なくない。それらは上記の憤りや抵抗の表現と考える』
以上は、当時東洋大学教授の伊籐二先生の論文からの引用です(The Annual Report of Educational Psychology in Japan,1996,Vol.35,127-136)。
この場合の「学習者」とは、研究対象となるような意味合い含む「対象者」ではなく、それと対峙する自己創造の主体という意味を込めるものです。
その場合を「学習者」と表記するとしています。人と人がかかわるとき、援助関係は特に、「対象者」としてとらえるのではく「学習者」ととらえ、お付き合いしていくことが大切だと考えます。
■今月のトピックス…快晴の中のハイキング!
7月17日(水)恒例のイベントである「ハイキング―飯能河原で遊ぼう‼」を行いました。
スタッフ8名とメンバーさん合わせて全部で32名で行きました。
梅雨が長引き、雨かなあと思っていたのですが、思いのほかとっても晴れて、梅雨の晴れ間は実に気持ちよかったです。
雨が続いていたせいか、ほとんど人もいなくて私たちでほぼ貸し切り状態でした。お弁当をみんなで食べ、思い思いに自由に過ごしました。
釣りをする人(釣れなかったですが・・・)川で石を投げて遊ぶ水切りがすっごく上手な人や、カブトムシなどの昆虫採集のあれこれを教えてくれる人、川の魚に詳しくていろいろ教えてくれる人、冷たい川の水に、キュウリやトマトを冷やしてくれる人、川の中に入って遊ぶ人、石を削って石器づくりをする人・・・
などなどみんなみんな、私にはできないことばかりをやっていてすごいなあと思いました。
川辺のさわやかさと豊かな緑がとてもきれいで、和やかに緩やかに楽しめたと思います。自然の中にいると…なんか無くしそうなものを取り戻せる気がします。また、秋の一泊旅行が楽しみですね!
■終わりに
というわけで今月号はいかがでしたでしょうか。今回のハイキングのように楽しいイベントをこれからも企画していきたいと思います!
今後もこちらのチーフスタッフのコラムともども、よろしくお願いいたします。
それでは長文ご観覧ありがとうございました。
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