今回は、茗荷谷クラブ独自の中間的就労についてお話しします。
中間的就労は、茗荷谷クラブに居る人たちが、働いてみたいなあと働きたくなった時に、壁となっている履歴書、採用面接を取り除き、これまでの茗荷谷クラブでのスタッフやメンバーとのかかわりをもとにスムーズに仕事に就けるように作り上げてきたものです。
また、長時間、長期間、安定して働かなければならない雇用形態は、責任感が強くそれゆえに自信を持てない人達にとっては、「やります」とはなかなか言いにくいところがあります。
また、自らの身体的、心理的体力がどの程度なのかを自分で見極めたい気持ちもあります。
私たちが推進するのは、こうした人たちのための、短時間(週1日、2時間から始められる)雇用です。
東大先端研の近藤武夫氏は、「日本型雇用の厚い壁と社会的排除」として日本型雇用が①長時間働く必要があるとしている(9時―5時が当たり前、残業をいとわない)こと、②採用時に職務定義がない(常用雇用では、配置転換で職務が激変するため、
暗黙の裡に「臨機応変で何でもできる人を」を期待…特定分野でできることがあっても、何かできないことがある人は雇用されにくい。
職務未定義で「全員が将来、管理職になる慣行」のためコミュニケーション能力を求められる)ことを挙げ、こうした対応が難しい何等かの事情(子育て、介護、疾患、障害、高齢など)のある人々が労働社会から排除されやすい構造があると指摘しています。
茗荷谷クラブでは、これまで、本や雑誌の発送業務、遺跡発掘、キャラクターグッズ袋詰めなどの作業、備品ピッキング、高齢者施設等の清掃などのお仕事をしてきました。
どこでも大変評判がよく、会社からのオファーによって、常勤職を得た方もいらっしゃいます。
しかし、コロナの影響もあり現在は清掃のみになり、職種が限られてしまうなど課題は多いです。
中間的就労や、障害者雇用を進める中で、私たちの働き方を考える必要を感じます。
働き方改革関連法(2019年4月)では、時間外労働の上限規制の導入、年次有給休暇の確実な取得、正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差の禁止などの措置を講じるとしています。
ライフワークバランスを重視していると思いますが、私たちにとって働きやすい職場ってどんな職場なのだろうか?人間関係は重要です。人間関係を含めた職場環境に目を向けていく必要があると思います。
メンバーの方にとって働きやすい職場環境は、誰にとっても働きやすい環境なのだと、それを教えてくれています。
メンバーさんとのより良いマッチングを目指すともに、企業開拓の努力を重ねています。
是非、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
茗荷谷クラブチーフスタッフ 井利由利
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