11月9日(日)台東区でひきこもり講演会がありました。
私の友人でもあるとても優秀で魅力的な、SSWの谷川由起子さんに講演をお願いしました。
西東京市で一緒に子どもの権利擁護委員をやっていたことがあります。
今回の講演では、「子どもの権利」の視点を交えて「学校が苦手だった子どもたちの家族へ」のテーマでお話していただきました。
不登校は、35万人と言われ、増え続けています。
さらに、ひきこもった方の60%以上に不登校経験があります。
不登校からずっとひきこもっていたわけではなく、通信制やサポート校、単位制高校や、定時制など未進学というわけではないのですが、ほどなく行けなくなって高校を退学したり、何とか卒業したけれど、「心情はひきこもっていました」という方、大学に行けなくなったり、就活で躓いたりと、その様相は様々ですが、なんらかの困難さを抱えたまま思春期、青年期を過ごさなければならなかったことがうかがえます。
どうすれば予防できるのだろうか?学校など関係なく、生き生きと生きることができたら、そうした環境があればひきこもらなくてもよかったのではないかと思います。
子どもが当たり前に、勉強したり、遊んだり、休んだりする権利を私たち大人は奪ってはいないだろうか?
子どもが何か自分にかかわる大事なことを決めることの権利を奪ってはいないだろうか?
自分の意見や気持ちを言う権利を奪ってはいないだろうか?
聞く人がいなければ子どもたちは黙るしかないのです。
子ども相談室で子どもたちからくるたくさんの訴え、もやもやした気持ち、納得できない気持ちを聞いていると、きっと今ひきこもっている方たちもそんな思いを抱えてきたのではないかと思います。
権利をはく奪されてきた方が新しい自分を再構築し、そして自分の意志で生きることができることは大変なことです。
親は、自身の不安や心配を、彼らに投げ込み、あるいは価値観を押しつけてはいないだろうか?
そして親子の未分化によって彼らの成長しようとする生きる権利を奪ってはいないだろうか?
子育ては決して生易しいものではありません。
3人の私の子どもたちに望むのは、それぞれが、自分が選んだ人生を自由に生きて欲しいということにつきます(とはいえ、子どもたちが小さかった頃にもそう思えていたか?と言えばあまり自信がありませんが。)
最後に谷川さんが紹介してくれた俵万智さんの短歌を紹介します(谷川さん、ありがとう!!)。
何度読み返しても、涙が出そうになります。この歌は、茗荷谷クラブを卒業していった彼ら、彼女らに対しても同じ気持ちです。
振り向かぬ子を見送れり 振り向いたときに振る手を用意しながら
最後とは知らぬ最後が過ぎてゆく その連続と思う子育て
写真を撮りにみんな外へ行き、アルバムを作りました。
私はクラブのお部屋でお留守番でした。ヤドンがいてくれました。
チーフスタッフ 井利由利




