2025年9月25日木曜日

「支援って何?」~チーフスタッフコラム 2025年9月

暑さが少し弱まってきましたね。
相当疲れが来ているような気がしていますが、皆様いかがお過ごしですか?
もう、頑張っている自分を褒めるしかないです!

9月15日、臨床心理士会の研修を受けました。4時間だったのですが、とても充実していてよい研修でした。テーマは「こども・若者の生きづらさとアディクション」です。
薬物依存だった当事者の方お二人のお話が最も印象的でした。

詳しくはお話できないのですが、当事者の方のお話を聴いて考えさせられました。支援って何だろう?と。ずっとこれは私の中のテーマですが。
いうなれば「一人の人として、かかわりたい、ということが、根底にあって、その上に専門性が乗っかる」イメージでしょうか。

でも、一人の人としてかかわるって、これって当たり前のことですよね。人と人がかかわるときの。

講師の先生の言葉の中にもあったのですが、「秩序を拒否し、秩序を否定する」という言葉にとても心を動かされました。当事者の方は、秩序から排除され、筆舌に尽くしがたい壮絶な人生を生き抜いてきました。私が出会う生きづらさを抱えた若者たちもそうです。

そうであれば、彼らに対峙する私たちに求められるのは、秩序を拒否し、秩序を否定する姿勢です。寄り添うとか、共感よりも、その姿勢を持つ大人や援助者がいて欲しい。正しいとか正しくないとかの次元ではなく、自らの秩序を能動的に構築していくための余白が欲しい。

マニュアル化、援助のサービス化、管理社会(監視社会?)
秩序がますます強化され、かつての暴走族や、校内暴力は影を潜め、「逸脱」を恐れる人が多い。

秩序にのっとった専門家は無力である。一人一人は独自で、それは専門家も一人の人間だから関係性もそれぞれ変わってくる。マニュアルなんてあるわけがない。でも無秩序では、やっていけず、支援者の心が折れたり傷ついてバーンアウトしないようにしなければならない、倒れてしまっては元も子もない。この狭間でどうバランスをとるかが、実際にはとても難しい。

お話の中で、グループこそ大事だというお話もありました。
グループは当事者が先導する部分が大きいです。茗荷谷クラブでの活動は、メンバーの方に先導されて、スタッフがそうだ!やろう!って思って作ってきた活動がほとんどだと言えます。雑談や遊びを通して私も生きなおしてきました。メンバーさんが教えてくれたことが、山ほどあって、自ずと自身の考え方や価値観、生き方が変わり、今も変わり続けていると思います。

双方がお互いに生きなおせる場がグループ(居場所)です。そこには、楽しさ、喜び、発見!があります。
ぜひ、覗きに来てください。

茗荷谷クラブメンタル部門相談室
なかなか陽に当ててあげられないけど頑張って育ってくれています。
                           

チーフスタッフ 井利由利

2025年9月4日木曜日

夏とお別れ(8月SST)

茗荷谷クラブでは,メンバーさんのニーズに応じつつ天候にも合わせてプログラムを行っています。
8月は暑すぎるので,疲れずに楽しめたりほっとできたりするプログラムの時間になりました!

■夏っぽいゲームをやろう
準備が大変だったりでいつもはやらながち,でも実は楽しい,「夏っぽい」ゲームに挑みました!
例えば協力謎解きゲーム『UNLOCK』。


なんとなく夏っぽいですよね?(海,肝だめし的な)
頭フル回転で果敢に最高難度に挑んで撃沈しましたが,それも思い出。

■そうめんを食べよう
夏恒例のそうめん!
そうめんを大鍋で茹でて,薬味をみんなで切って,大人数の食卓です。
私は料理プログラムのたびに,作り食べるのに夢中で写真を撮り忘れることしかしていません。そのくらい楽しかったということで!

■ちょこっとチルタイム
実習生の方が考え実施してくれました!
嫌なことも忘れる「ぬめゲーム」(「ぬ」のフリップでは手を叩く,「め」のフリップでは手を叩かない,という単純だが熱中必至のゲーム。これも熱中しすぎて写真撮れなかった・・・)からスタート。
一日の行動を振り返って「チル」(くつろぎ)につながる行動を探したり,新たな「チル」の習慣を学んだりできました。


居場所にはお別れもつきもので,8月が最後の居場所参加となる実習生さん,スタッフがいました。
お別れの胸へのしまい方,表し方は人それぞれです。熱い言葉・感謝を伝える人,いつも通りお別れする人,顔だけでも見せにきてくれる人,顔は見せられなかったけど心の中でお別れする人。
お別れのたびに,寂しいけどその人はこれからも自分の心にいてくれて,自分の心がちょっとだけ大きくなれるような気がします。
 
また9月のプログラム紹介でお会いしましょう!

2025年9月2日火曜日

新始動!

今年度から始まった企画!
その名も「ゆったりワーク」

なんとクラブ内で内職をします!

新しいところで働くのは自信がない…
試しに少しだけ働いてみたい
誰かと一緒に作業できると安心かな…

そんな方々に向けて、文字通り”ゆったり”働ける場を作りました。
すでに7月から始まっていて、基本的に毎月第2月曜日 15:00~17:00に実施中です。

今回のお仕事は「さくらや文京店」さんからです。
さくらや文京店さんは学生服のリユースを行っている団体です。
卒業して使わなくなった学校の制服や体操着を集め、これから入学する方に安価でお譲りする活動をしています。
これらの制服に縫ってある名前の刺繍を取り除くと、次の方が自分の名前を入れることができます。

茗荷谷クラブでは、それらの一部お借りして制服などにつけられた名前の刺繍をほどきます。
次に使う方に喜ばれ、謝礼も出るとてもおすすめの活動です。

他の参加者と一緒に内職をしていて、ときどきおしゃべりしながら取り掛かるので、
ひとりではやる気が出ない、むしろ集中しすぎてしまう…という人にはおすすめです。

現在までに2回活動していて、みなさん集中して作業してくださっていました。
刺繡ほどきは1文字につき謝金が出ます。
スタッフの私も刺繍ほどきに挑戦しましたが、1文字ほどくだけでも、それなりの時間がかかりました…
一方で、手先が器用な人はすらすらとほどいていました。
慣れてくると1文字10分ほどでできてしまうそうです…!

ひとつの制服分をほどき終えた人は「ふぅ…」と言いながら達成感のある表情をしていました。
これからも毎月開催していくので、皆さんの働きたい気持ちを応援していきます!


ゆったりワークスタッフ