2025年7月17日木曜日

「自分がわからない」~チーフスタッフコラム 2025年7月

暑い日が続いています。
先日、スタッフミーティングで「自分がわからないってどういうことだろう?」そんな話になりました。
「自分がわからない」を日常に落とし込むと、どういうことになるのか?について話しました。
それを今回書いてみようと思います。

メンバーさんやカウンセリングに来るクライアントさんから、よく聞く言葉に「自分がわからない」「自分がない」という言葉があります。

「相手が何を期待しているのか、どういうことを話して欲しいのかを常に考え、それに合わせていくことばかりを考え、自分の気持ちとか自分の好きなことや、やりたいことを話すことをしてきませんでした。そんなこと思いもしなかったです」。

「ある日ふと、あれ?自分がない!自分ってなんなんだろう!?って思ってすごく怖くなり、これじゃ生きていけない、怖い!と外へ出ることができなくなりました」。

ある日、自分がなくなった感じ…それはどんなに恐ろしく、不安と恐怖で苦しいだろう、想像を絶する恐怖感だと思います。想像するだけで怖くなります。

自分のことがわからないと、社会的規範、いわゆるべき思考、こうすべき、こうあるべき、の指針をどんどん強めていくことになります。
「ひきこもっているうちにどんどんめんどくさいやつになっていった・・・」という言葉。

べき思考が強くなり、でもそれは天井がありません。しかも頭ではわかっていても心がついていかず「できない」ので、よりバラバラな自分、ダメな自分感覚を強めてしまいます。

「やりたいことをやろうとしても、いつの間にかそれがやらなければならないことになってしまって、そうなると、完璧を求め始めるので、負荷に押しつぶされてできなくなるし、完璧にできないので0にしてしまいます。」

私たちには、頭ではわかっているけれど、心がついていかない、心が納得してくれず、「できない」ことが多いです。カウンセリングは、それを自分の言葉にして他者に伝え、客観的に俯瞰し、明確化し、無意識にある潜在的な力をひきだしていくものです。

ですが、カウンセリングよりも、もっと大事なことがあるのではないか・・・。

それは、体を動かして、思いっきり動き、感情が自然に出てしまうほど楽しんで、あるいは、みんなでボードゲームをやりながら、その場で思ったことを思わず口にしてしまう瞬間を楽しむことです。いつの間にか、それこそ、ふと、自分が自分である感覚を取り戻す瞬間があります。
長年カウンセリングを生業にしていますが、実は、その瞬間の積み重ねが最も大事なのではないかと。

子どもたちはより深刻です。コロナで大切な3年間、したいことを我慢させられ、友達と思いっきり遊ぶこともできなかった子どもたち。
今、感情が出ない、本音が出せない、例えば子どもたちにプレイセラピーをしようとしても遊べない子どもたちが増えています。若者たちは、より内閉化し、10代のリストカットやオーバードーズは激増しています。

・・・スタッフミーティングでそんな話になりました。

まずは今の子ども・若者たちの抱えている困難さを知り、遊べる、何をしててもいい居場所がたくさんなければなりません。生きづらさを抱えている方たちにとっての生きやすい社会・地域は、誰にとっても生きやすい社会だからです。

カモよ、君はなぜここに。。。?
なに、おもう。。。?

チーフスタッフ 井利由利

1 件のコメント:

  1. 全然関係ないですが、自分も地元の駅に向かう途中にカモを見つけました。

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