2020年2月14日金曜日

チーフスタッフのコラム&トピックス☆2020年2月14日号

■「若者支援」と「ネットワーク」について



去る1月25日(土)と26日(日)に全国自治体シンポジウム2019立川「地方自治と子ども施策」に参加しました。



このシンポジウムは、子どもの施策のあり方や、まち・コミュニティづくりの展望を見出すために、自治体関係者と研究者・専門家・NPO等が連携・協力して、2002年から毎年開催しているものです。



今年の全体テーマは「子ども・若者支援とまちづくり~とぎれず、すきまをつくらず、そして重なり合う~」です。



このシンポジウムは、国際的な視点を持ち、国連・子どもの権利委員会による総括所見(懸念や勧告)等を踏まえて行われるものです(開催要項より)。



各自治体がさまざまな子ども・若者施策の取り組みをする中、まだまだたくさんの課題があります。



でも、すべての大人が、「子どもの最善の利益を守る」「子どもの意見表明を尊重する」という子どもの権利に関する「子ども条例(例:西東京市)」をしっかりと学び、

それを基盤に実践していくことの大切さは、もっと認識されるべきであると思いました。



子ども条例の「子ども」は、18歳までを指しますが、立川市では今回、立川市企画の特別分科会として、以下の項目を掲げました。



「子ども期に留まらず若者期を含めて、社会生活に困難を抱えている子ども・若者の出現と、総合的な支援の施策が求められている」



「特に子ども期から成人期への橋渡しとなる若者期の支援施策がどの地域、自治体でも問われ始めている」



「行政内部の縦割りの壁を克服し、官民連携が欠かせない」



私はその第7分科会「子ども・若者の自立支援とネットワーク」に参加しました。



すべてはお話できませんが、印象に残った、大切だと思ったことを記します。



まずは、立川市子ども・若者自立支援ネットワークの発表から、義務教育終了後の自立をキーワードに、

進路選択に困っている子どもや高校中退した子どもたちの声を聞き定時制・通信制等合同学校説明会を立ち上げた実践を通して、ネットワークづくりで何を大切にしていくべきなのかが示されました。



子どもたちのつぶやきを聴く、子どもたちを真ん中においてニーズを聞き取ること、支援機関の多様性によって多様な面白いアイデアが生まれること、

win-winの関係づくり、そして子ども若者を支えるプラットフォームの“魂”(=コンセプト)をしっかりと作ることです。



多くのNPOはしっかりとした理念を持ち、活動を行っています。



もちろん私たち青少年健康センター「茗荷谷クラブ」もです。



そうした“魂”を重ね合わせ、議論し、どのようなコンセプトでどのような機能を有するのかを定義していくことはとても大切です。そこに官民協働の肝があります。



子どもたちのつぶやきを聴くに関しては、栃木県高根町の町営「ひよこの家」に実際に通っていた不登校だった若者の発表にとても感動しました。



「ひよこの家」は学校復帰を連想させるものは全くなかった(いわゆる適応指導教室のようではなく、田舎の一軒家で自然もいっぱいだった。公的機関では非常にレアなケース)」。



「スタッフは何も聞かなかった。私が話をするまでずっと待ってくれた」。



「自分にとって何が必要か、何が幸せかを考えるきっかけになった」と話してくれました。



自分でも何をどうしたいのかが分からず、言葉になるまでには時間がかかります。



「聴く」は、すなわち言葉が出てくるのを「待つ」ことであることの大切さを改めて教えてくれました。



連携・協働はもはや合言葉のようになっています。



今後はよりよい機関連携とは何か?を積極的に話し合っていく必要があります。



最もその人と信頼関係のある人、実際にその人に会えている支援者を支える連携になっているのか?



その人の問題にのみ意識が向き、病院だ、生活保護だとかの処遇が重視され、本人不在で追い込むことにはなっていないだろうか?



そこに支援の暴力や、「排除」の危険性はないだろうか?



常に心していかなければなりません。



「その人の想い、意見を聞き、尊重し、その人の最善の利益を守る」という人間の当たり前の権利を大切に守っていきたいと思います。



■2020年1月のトピックス…新年の行事をしました



2020年を迎え、今年も茗荷谷クラブでは大掃除をしました。



毎年恒例でクラブの2つの部屋の、壁、窓、トイレ、台所、棚、水回りとすべて一斉にみんなで大掃除です。



大掃除が終わったら、みんなでお汁粉をいただきました。甘くてとてもおいしかったです。



またその次の週には新年の書初めを行いました。



書初めと言っても自由に書きたいことをうまいとか下手とか関係なく、墨をたっぷりつけて筆で思いっきり書くものです。



私は一文字「漂」を書きました。



川の流れに身をまかせるように、ただ目の前のことを受けとめて心穏やかに漂っていきたい・・・そんな想いで書きました。



本年もどうぞよろしくお願いいたします。

チーフスタッフ 井利由利